「僕もお付き合いしますよ」
あの日、そう言ったのは、日本橋龍馬会の会長。彼とはもう何年も前、六本木で初めて酒を酌み交わしました。楽しい時間を過ごし語り合い、さて解散――となったその時のことだ。
「自分はラーメン食べて帰りますんで」といつものように言った私に、彼は迷わずこう返したのだ。
ここで私は説明せねばならない。彼は現役の俳優であり、しかも実績のある男だ。役作り、健康管理、体重管理……そういう世界で生きる人間にとって、「飲んだあとの締めのラーメン」など本来、禁断の一杯である。普通なら「お疲れ様でした!」と言ってさっさと解散するところだろう。そう、私からラーメンを誘っているわけでもないのである。
しかし彼は違った。
それどころか、いざラーメン屋さんに着くと「替え玉」を追加して豪快に喰らったのだ。しかも無理している風でもなく、イキっている感じもなく、あくまで嫌味もなく、ただただ自然体で。
なんとも気持ちのいい男ではあるまいか。彼には、いつでも風が吹き抜けているような、そんな清々しさがある。
それでいて彼には志があり、特筆すべきはそれを実行しているところである。
そういう男だからこそ、私は彼を 同志 と呼ぶのである。
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